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2022.08.30

工場立地法における緑地化設置義務とは?緑地化のメリットも解説

こんにちは!北海道〜東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。

 

工場建設の際には「工場立地法」という法律によって、敷地面積における工場の広さの割合や、緑地や環境施設の広さの割合などが定められています。

「工場に緑地って必要なの?」と思うかもしれませんが、工場周辺環境を守るのと同時に、企業側にもメリットがあります。

 

今回のコラムは、工場立地法について。

工場立地法も目的や対象となる工場、緑地設置義務の内容などを解説します。

ここに目次が入ります

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工場立地法とは? 目的や内容、対象となる工場を解説

工場立地法とは、一定規模以上の工場を建てる際に、敷地に対する生産施設面積、緑地面積、環境施設面積の割合に制限をかける法律です。

 

工場立地法は、1970年代頃に起こった公害問題や公害訴訟をきっかけに、1973年に制定されました。

工場の面積を制限し、敷地内に緑地や環境施設を作ることで、工場周辺の環境を保護し、公害の発生を減らすことが目的です。

 

各面積の割合は以下の通りに規制されています。

  • 生産施設:業種により敷地の30~65%以内
  • 緑地:敷地の20%以上
  • 環境施設:緑地も含め、敷地の25%以上

 

生産施設とはいわゆる「工場」のことで、駐車場や事務所などは含まれません。

 

緑地とは樹木や芝生などの地被植物が生育するエリア、緑地以外の環境施設とは周辺地域の生活環境の保持に貢献するものを指し、噴水や運動場などが該当します。

工場立地法での緑地の定義では、樹木などの種類は問いませんが、最低でも10㎡以上の広さが必要です。

 

対象となる業種は、製造業(物品の加工業含む)、電気供給業(水力、地熱発電所を除く)ガス供給業、熱供給業で、工場の建築面積が3,000㎡以上、または敷地面積が9,000㎡以上の場合に該当します。

 

工場立地法の対象となる工場は、新設や変更に際し、事前に工場が立地する都道府県や市へ届け出が義務付けられています。

原則として届け出から90日間は着工不可ですので、工事のスケジュールを考えて早めの手続きが必要です。

 

工場立地法の規制に適合しない場合は、自治体から勧告を受け、勧告に従わない場合は変更命令を受ける場合も。

変更命令に違反した場合などは、罰則規定もあります。

 

 

工場立地法では緑地の設置が義務付けられている!

工場立地法では、緑地と環境施設の設置、さらに、それぞれの面積率が義務付けられています。

  • 緑地面積率:敷地全体に対して緑地が占める面積の割合で、敷地の20%以上
  • 環境施設面積率:施設全体に対して環境施設が占める面積の割合で、緑地も含めて敷地の25%以上

 

なお、上記の面積率は国が定める規定ですが、別途国が定める基準内で、地方自治体が地域の実情に合わせて独自に緑地面積率と環境施設面積率を策定することも可能です。

 

国が定める範囲は、緑地施設面積率が敷地の5~30%、環境施設面積率(緑地含む)が敷地の10〜35%となっています。

 

工場の敷地を緑地化するメリット

工場の敷地に緑地を設置すると、木陰や樹木による夏の遮熱や冬の保温、ヒートアイランド現象の防止、防塵、騒音の軽減、従業員のストレス解消、景観の向上、企業のイメージアップなどのメリットがあります。

 

なかでも、工場で特に大きなメリットと考えられているのは遮熱や保温による省エネ効果です。

工場の屋上や壁面に緑地を設置することで、屋根や壁から工場内に伝わる外気を遮断し、冷暖房の負荷を抑えて消費エネルギーを削減できます。

 

工場立地法は社会情勢や経済情勢に合わせて改正されてきており、2004年の改正では屋上緑化・壁面緑化を、定められた範囲内で緑地面積として算入することも可能になりました。

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既存工場の増設または減少をする場合の緑地設置義務は?

工場立地法の施行前から建っている「既存工場」は、緑地面積率が工場立地法に適合しているとは限りません。

そのため、既存工場に対しては生産施設の変更などの際に、逐次緑地の整備を求める措置が設けられています。

 

個別の事情がある場合には緑地の設置を猶予したり、免除したりするケースもあり、弾力的な運用がなされています。

 

なお、既存工場が敷地を増加させる場合は、緑地整備のタイミングには該当しません(生産施設の増設ではないため)。

 

また、仮に既存工場が生産施設を減少させるからといって、それに合わせて緑地をさらに減少させることはできません。

既存工場に対する措置は、段階的に基準を満たせるようにするための緩和措置のため、すでに現行の工場立地法の規制よりも少ない緑地を、さらに悪化させるようなことは原則認められないからです。

 

 

工場立地法では緑地の設置義務と面積率が定められている

工場立地法とは、一定規模以上の工場を対象に、敷地に対する生産施設・緑地・環境施設の面積割合を定める法律。

工場周辺の環境を守り、公害の発生などを抑えることを目的に制定されました。

 

生産施設は工場の業種により敷地の30~65%以内、緑地は敷地の20%以上、環境施設は緑地も含め敷地の25%以上とされています。

緑地面積率と環境施設面積率は、地方の実情に合わせて国の基準内で自治体が独自に策定することも可能です。

 

工場の敷地を緑地化することは、環境保護のほかにも遮熱や保温による省エネ効果、従業員のストレス解消、企業のイメージアップなどのメリットもあります。

 

工場立地法制定前から建っている既存工場については、生産施設の変更の際に逐次緑地の整備を求められる措置が設けられています。

 

戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。

北海道や東北で倉庫・工場の建築をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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久保 大輔設計部 部長

某設計事務所にて設計監理業務に従事し、現在は内池建設にて倉庫建築をはじめ様々な建築設計に取り組んでいる毎日です。建築を楽しみながら、安心で快適、使いやすく、みんなに愛される建築を提供していきたいと思います。

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