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2025.08.02
倉庫建て替えのタイミングを見極める方法と成功のポイント
こんにちは!北海道〜東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。
老朽化や事業拡大などを背景に、倉庫の建て替えを検討することは少なくありません。
ただ、実際にどのタイミングで進めるべきかは、判断が難しいものです。
今回は、倉庫建て替えのタイミングを見極めるための視点と、計画をスムーズに進めるための準備、失敗を避けるためのポイントまで解説します。
建て替えを成功させるために必要な知識を得ることで、安全で効率的な倉庫運営を実現できるでしょう。
倉庫の建て替えのタイミングはどう見極める?
倉庫の建て替えを検討するタイミングは企業によってさまざまですが、適切なタイミングを選ぶことで、コストを抑えて効果的な建て替えが可能になります。
建て替えを検討すべき目安と、早めに進めるメリットについて解説します。
建て替えるべき劣化状況の目安
倉庫は使用年数が経過するにつれて、劣化・老朽化が進行します。
修繕の頻度が増え、費用も膨らんでいくと、建て替えの検討が現実的になります。
以下のような症状が見られる場合は、建て替えの検討が必要な時期といえるでしょう。
- 雨漏りが頻繁に発生する
- 外壁のひび割れが拡大している
- 基礎の沈下や傾きがある
これらは保管物への損害や従業員の安全性にも直結するため、早期の建て替えを検討すべきタイミングといえるでしょう。
事業の変化がもたらす建て替えタイミング
倉庫の劣化・老朽化といった物理的な限界のほか、事業拡大により保管量が増加した場合や、新たに温湿度管理が必要な商品を扱う場合などで、従来の倉庫では対応が難しくなることがあります。
また、省人化や自動化を目的とした設備導入時に、既存倉庫ではスペースや構造上の制約から実現が難しく、建て替えが選択肢となるケースもあります。
特に、危険物を扱うようになった場合は、消防法に基づく基準を満たすため、危険物倉庫への建て替えが求められます。
危険物の取り扱いについては、消防法で厳格な基準が定められており、一般的な倉庫では対応できません。
危険物倉庫の基本的な知識については、まずはこちらをご確認ください!
危険物倉庫とは?消防法で定められた建設をする際の基準もご紹介
早めの建て替えがもたらすメリット
いずれ倉庫の建て替えをするなら早めに進めることで、以下のようなメリットが得られます。
- 修繕コストが抑えられ、長期的な経費削減になる
- 自然災害に強い構造となり、安全性が高まる
- 作業のしやすい動線を確保でき、業務効率が向上する
- 職場環境が向上し、従業員の定着率やモチベーションがアップする
- 機能的かつ外観にも優れた建物が、企業イメージの向上につながる
倉庫の建て替えをスムーズに進めるために知っておくべきこと
倉庫の建て替えを成功させるためには、事前の準備と確認が欠かせません。
続いては、建て替え前に必ず確認すべき事項・準備すべき事項を解説します。
目的の明確化
建て替えの目的を明確化・具体化することが最初のステップです。
例えば、「温度管理機能を追加する」「物流動線を見直す」など、明確な方針があることで、無駄のない設計が可能になります。
必要資金と資金計画
建て替えには多額の費用がかかります。
自己資金に加え、融資や助成金の利用も検討しましょう。
また、古い倉庫の解体費用やがれきの撤去費用などがかかります。
工事期間中の業務継続方法
建て替え期間中に倉庫の稼働を完全にストップするのはリスクがあります。
部分的に建て替えを進めていくのか、仮倉庫を確保してそちらで業務を行うのかなど、業務の継続方法によって、工事期間や費用が変わります。
事前にどの方法を取るかを決めておくことで、スムーズな工事進行が可能になります。
危険物倉庫への建て替え基準
危険物倉庫へ建て替える場合、消防法で定められた厳格な基準を満たす必要があります。
主な基準は以下の通りです。
位置・規模に関する基準
- 保安距離・空地の確保
- 平屋建で軒高6m未満
- 床面積1,000㎡以下
構造に関する基準
- 屋根は不燃性で軽量な素材を使用
- 壁と柱は耐火構造
- 出入口や窓は防火設備を設置
設備に関する基準
- 危険物標識・掲示板の設置
- 消火設備の設置
- 指定数量が10倍以上の場合は避雷設備を設置
危険物倉庫の詳しい基準や詳細知識については、以下のコラムでも詳しくご紹介していますのであわせてご覧ください。
危険物倉庫の保有空地をわかりやすく解説!うまく活用して建てる方法も
危険物倉庫の放爆仕様(放爆構造)とは?必要な火災・防爆対策を解説!
危険物の同時貯蔵は可能?危険物倉庫の場合や取り扱いの注意点も解説
倉庫を建て替える際の注意点もチェック
建て替えにおける注意点も事前に把握しておきましょう。
計画は早めに進める
倉庫の建て替えは多額の費用と長期間を要するため、早めの計画立案が成功の鍵となります。
特に資金調達には時間がかかるため、早い段階から建て替えの時期の検討をし、計画的に資金の確保をする必要があるでしょう。
工事期間中の操業継続
倉庫の建て替え工事を進める際には、可能な限り業務を継続できる計画を立てることが求められます。
操業を完全に停止してしまうと企業にとって非常に大きな痛手となるため、建て替え・改修工事中でも倉庫の操業を停止させることがない建設計画を立てましょう。
倉庫の耐震基準への対応
特に1981年5月31日までに建てられた旧耐震基準の古い倉庫は、大地震の揺れに対しては強度が足りない可能性があります。
建て替え工事では、最新の耐震基準を満たす設計にすることで、地震による被害リスクを最小限に抑えることができます。
倉庫周辺への配慮
解体工事や建設工事では、近隣住民に、騒音や飛散、振動などによって迷惑をかける恐れがあるため、工事前に周知が必要です。
周知方法には、張り紙や看板設置やチラシ配布、個別の挨拶、説明会などがあります。
自治体によっては説明会が義務づけられている場合もあります。
適切なタイミングでの倉庫建て替えが成功への近道
倉庫建て替えタイミングの見極めは、企業の将来を左右する重要な判断となります。
倉庫の老朽化や事業拡大を契機とした建て替え、人手不足などを背景とした省力化・省人化のための倉庫リニューアルなど、さまざまな要因を総合的に考慮して決定する必要があります。
特に指定数量以上の危険物を扱う場合は、法的な義務として危険物倉庫への建て替えが必要になるため、早めの準備が欠かせません。
また、旧耐震基準の建物については、従業員と商品の安全確保のために、積極的な建て替え検討をおすすめします。
建て替えを成功させるためには、明確な目的設定、解体費用の把握、工事期間中の操業継続計画、近隣住民への配慮など、多方面にわたる準備が必要です。
早めに計画を進め、適切な準備を行うことで、安全性と業務効率を向上させた倉庫運営を実現できます。
戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。
倉庫・工場の建築をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。