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2022.09.22

建築資材が高騰!理由や倉庫・工場建築への影響は?

こんにちは!北海道〜東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。

 

2022年は値上げラッシュ。

家計はもちろん建設現場も同様で、建築資材の高騰が続いています。

 

今回のコラムでは、建築資材の高騰が続く理由を解説。

建築資材の高騰による建築コストへの影響や、今後の動向などもあわせてお伝えします。

※2022年9月時点の情報です

 

ここに目次が入ります

 

建築資材が高騰している理由

建築資材が高騰している理由は大きく3つあります。

それぞれ分かりやすくご紹介します。

 

【1】ウッドショック&アイアンショック

新型コロナウイルス感染症によって落ち込んだ経済を回復するべく、アメリカでは大規模な低金利政策が実施されました。

それにより「金利が低いうちに!」と、アメリカでは建築ラッシュが到来。

 

さらに、中国でも新型コロナウイルス終息宣言によって景気が回復傾向で、世界的に木材の需要が一気に高まって、価格が高騰しています。

 

また、同様の理由で鋼材についても価格高騰が起こっています。

 

【2】円安による輸入価格上昇

2022年9月15日現在、日本の対ドル円相場は下落の一途をたどっています。

2022年9月7日には1ドル=144.5円を記録し、これは1998年8月以来の約24年ぶりの円安水準です。

 

日本は建築資材の原材料の多くを海外からの輸入に頼っています。

そのため、原材料の絶対価格が変わらなくても、円の価値が下がる円安が進むとその分輸入価格が上昇してしまうのです。

 

【3】ロシア・ウクライナ情勢による燃料高騰

2022年春から始まったロシア軍によるウクライナ侵攻。

日本を含む多くの国がロシアへの経済制裁に参加しています。

 

ロシアは世界全体で見ても、天然ガスや石油といったエネルギー資源の産出量が多い資源大国。

経済制裁の影響でエネルギー資源が値上がりし、各方面へ大きな影響が続いています。

 

燃料が高騰すると輸送費が上がるため、ほぼすべての建築資材に影響が出てしまいます。

 

 

建築資材の高騰が及ぼす建築コストへの影響とは

建築資材が高騰すると、当然建築コストも高くなります。

建築資材が値上がりすれば材料費が高くなりますし、ガスや灯油といったエネルギーが高騰すれば光熱費や輸送費、交通費などあらゆるものに影響します。

 

原価が上がれば企業も利益確保や赤字回避のために商品価格を上げざるを得ず、建設業界でも倉庫や工場建築の値上げにつながっています。

 

また、倉庫や工場建築のプロセスの中では、最初の見積と実際にかかる金額に大きな差が出てしまう恐れも。

 

建設工事の受発注では、まずは概算見積を出して費用感を確認します。

そして、工事の仕様や詳細を詰めながら正式見積を作成し、これをもとに契約へと進みます。

※倉庫・工場建築の流れについては「工場・倉庫建設の流れとスケジュールを詳しく解説!必要な事前準備も」もご参考ください。

 

単価の変動や数量の変更、仕様変更の可能性なども含めて概算見積では実際の費用と-25%~+50%程度の価格差、正式見積でも-5%~+10%程度の差が出るのは折り込み済みです。

 

しかし、現在のように急激な建築資材の高騰が続くと、見積よりも大幅に費用が上がってしまうという事態に陥ってしまいます。

費用が大幅に変わると、赤字工事になったり、予算が足りずに必要材料や人員を確保できなかったりするほか、工期の延長や中断といった可能性も。

 

スムーズで確実な工事進行が妨げられてしまいます。

 

 

建築資材の高騰はどうなる? 今後の動向をチェック

木材や鋼材の需要増はまだしばらく続きそうですし、ロシア・ウクライナ情勢も解決の糸口は見えていません。

 

円安に関しても、諸外国がインフレを抑えるための利上げ・金融緩和を進める中、日本銀行は当面マイナス金利政策を続ける姿勢を示しており、内外金利差の拡大による構造的な円安が収まる傾向は見られせん。

 

このような状況により、建築資材の高騰は高止まりが続くことが考えられるでしょう。

 

 

建築資材の高騰が顕著! 理由と影響、今後の動向を知ろう

建築資材が高騰している理由は、大きく分けて①ウッドショック&アイアンショックによる木材・鋼材の高騰 ②円安による輸入価格高騰 ③ロシア・ウクライナ情勢による燃料高騰 の3つです。

 

建築資材の高騰は、当然建築コストにも大きな影響を与え、最終的には倉庫や工場建築の値上げにつながっています。

短期間に急激な高騰があると、見積と実際の費用に大きな差が生まれ、資材を確保できなかったり工事の遅延・中断が発生したりする可能性も。

 

建築資材の高騰は、それぞれ3つの理由が解決したり落ち着いたりする兆候が見られないため、 またしばらくは高止まりが続くことが考えられます。

これからさらなる高騰があれば、工事価格がさらに値上がりする可能性もあるでしょう。

 

戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。

北海道や東北で倉庫・工場の建築をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

久保 大輔設計部 部長

某設計事務所にて設計監理業務に従事し、現在は内池建設にて倉庫建築をはじめ様々な建築設計に取り組んでいる毎日です。建築を楽しみながら、安心で快適、使いやすく、みんなに愛される建築を提供していきたいと思います。

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