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2023.08.25

倉庫や工場の屋根の種類は?種類別の特徴やメリット・デメリットも

屋根

 

こんにちは!北海道~東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。

 

倉庫や工場を新築、または改修する場合、屋根はどんな屋根が一般的なのでしょうか。

 

今回のコラムでは倉庫や工場でよく使われている屋根の種類について解説!

主流である3種類の屋根の特徴とメリット・デメリットをご紹介しますので、新築や改修の際の参考にしてみてくださいね。

 

ここに目次が入ります

倉庫や工場で用いられる屋根の種類と特徴

倉庫や工場で用いられる屋根は、主に「波型スレート屋根」「折板屋根」「瓦棒屋根」の3種類です。

 

まずは屋根の種類ごとの特徴についてご紹介します。

 

波型スレート屋根

セメントと繊維を混ぜ、波打つような形状に成形された屋根です。

戸建て住宅では化粧スレートと呼ばれることもあり、これらは同じ材質です。

 

波の幅が大きいものは「大波スレート」、小さいものは「小波スレート」と分類され、波の幅はJIS規格で規定されています。

耐久性、断熱性、遮音性、耐火性に優れた屋根で、大波スレートは屋根や外壁、小波スレートは外壁専用として使われます。

 

折板(せっぱん)屋根

ガルバリウム鋼板などの金属板を蛇腹状に折り曲げた形状の屋根です。

蛇腹状に折り曲げることで強度が増し、軽い金属なので建物に負担がないため、大きな倉庫や工場などで近年主流となっている屋根です。

倉庫や工場のほか、体育館など大規模な施設でよく採用されています。

 

瓦棒(かわらぼう)屋根

いわゆる「トタン屋根」と呼ばれる金属の屋根です。

瓦棒と呼ばれる細い角木材とコの字の溝板(金属板)が一定間隔で並べられる形状です。

昔からある屋根の形状で、最近ではトタンではなくガルバリウム鋼板を使うケースが多いです。

 

工場では屋根のほかに、出入り口で商品や機器を雨風・紫外線から守る庇(ひさし)という設備も重要です。

倉庫や工場に庇(ひさし)は付けるべき?種類や延床面積との関係も解説!」では、倉庫や工場の役割や建築基準法の規定などを解説していますので、あわせてご覧ください。

 

 

倉庫や工場の屋根のメリット・デメリットを種類別にチェック

ご紹介した「波型スレート屋根」「折板屋根」「瓦棒屋根」の3種類のメリットとデメリットを確認しましょう。

 

波型スレート屋根のメリットとデメリット

波型スレートの屋根のメリットは、高い耐久性、遮熱性、耐火性、遮音性があること。

倉庫や工場を雨風、火災などから守るためにも、耐久性や耐火性が高いのは重要なことです。

 

高い遮音性で屋根にあたる雨音などが室内に響きにくく、作業しやすい環境を整えられます。

 

また、高性能の割に安価なため、メンテナンスでの交換対応などもしやすいのもメリットでしょう。

 

一方デメリットは、表面がザラザラしていることから砂ぼこりなどが付きやすく汚れやすい点です。

汚れを放置していると倉庫・工場の外観が悪くなり、企業イメージが下がってしまうので、定期的な清掃などのメンテナンスが必要となるでしょう。

 

また、2004年以前に製造された波型スレート屋根にはアスベストが含まれている可能性があり、補修や撤去、処分には高額な費用がかかるため注意してください。

 

折板屋根のメリットとデメリット

折板屋根のメリットは高い強度と軽量性。

ジグザクの蛇腹形状は真っすぐな金属板と比べて強度が高く、主に採用される素材のガルバリウム鋼板はサビにも強いです。

 

下地が不要で施工できるので、手間も少なく低コストであることもメリットでしょう。

 

折板屋根のデメリットは、金属板という素材の特徴からきているものが多いです。

 

折板屋根は金属のため熱伝導率が高く、断熱性、遮熱性が低いです。

 

下地を貼らずに直接屋根材を施工するため、太陽から屋根材に届いた熱が室内に直接影響し、空調効率が悪いというデメリットも。

 

また、金属のため遮音性が低く、雨の日には屋根に当たる雨音が室内に響きやすいです。

 

ガルバリウム自体はサビに強いですが、傷やボルト部分などからサビが出て広がる可能性があることにも注意してください。

 

瓦棒屋根のメリットとデメリット

瓦棒屋根も金属製の屋根ですから、軽量である点がメリット。

 

建物に負担がかかりにくいので大規模施設への施工に向いていて、耐震性への影響もありません。

 

また、材料費が安く施工も容易のため、コストを押さえた施工が可能です。

 

一方、こちらも金属板の屋根であることから、遮音性や断熱性が低いというデメリットがあります。

 

 

倉庫や工場の屋根を補修する方法

屋根の修理

倉庫や工場の屋根が破損・老朽化した際の補修方法は、「カバー工法」と「葺き替え(ふきかえ)」の2種類があります。

 

カバー工法とは、既存の屋根の上から新しい屋根材を重ねて施す方法です。

 

元の屋根材を撤去しないので、葺き替え工法よりは工事費用が安く済み、倉庫や工場を稼働したまま施工できます。

 

ただし、屋根材が2重になるので重たくなる分、建物に負担がかかり、耐震性に悪影響を与える可能性もあります。

 

波型スレート屋根、折板屋根、瓦棒屋根のどれでもカバー工法は可能ですが、新しい屋根材としては軽いガルバリウム鋼板を採用することが多いです。

 

葺き替えは、既存の屋根を撤去して新しい屋根を施すもので、屋根部分は新築と同じ状態になります。

 

既存の屋根の撤去や処分が必要なので、カバー工法と比較して大規模な工事で費用も高額となります。

 

 

倉庫や工場の屋根の種類は波型スレート屋根・折板屋根・瓦棒屋根が主流

倉庫や工場で使われる屋根の種類は主に、波型スレート屋根、折板屋根、瓦棒屋根の3種類が主流です。

 

波型スレート屋根はセメント、折板屋根・瓦棒屋根は金属を主な素材としています。

 

波型スレート屋根は耐久性、遮熱性、耐火性、遮音性が高いことがメリット、汚れやすいことがデメリットです。

 

折板屋根・瓦棒屋根は金属の特徴でもある軽量・安価がメリットで、遮熱性・遮音性に欠けることがデメリット。

 

補修方法は既存の屋根に新しい屋根材を重ねるカバー方法、既存の屋根材を撤去して新しい屋根を施す葺き替えがあります。

 

それぞれの特徴をしっかり把握して、検討してみてくださいね!

 

戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。

倉庫・工場の建築をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

久保 大輔設計部 部長

某設計事務所にて設計監理業務に従事し、現在は内池建設にて倉庫建築をはじめ様々な建築設計に取り組んでいる毎日です。建築を楽しみながら、安心で快適、使いやすく、みんなに愛される建築を提供していきたいと思います。

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