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2022.11.08

物流拠点は集約すべき?メリットやデメリット、ポイントを解説

こんにちは!北海道~東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。

 

物流拠点は、商品の保管や流通加工、出荷などを担い、物流業務の中でも重要な役割を持つ施設。

従来は複数の物流拠点をつくるケースが多かったのですが、最近は1カ所の拠点に集約するケースが増えてきています。

 

そこで今回のコラムでは、集約型の物流拠点について解説。

物流拠点を集約するメリットとデメリット、集約型の拠点をつくる場合に押さえておくべきポイントをご紹介します。

 

ここに目次が入ります

 

物流拠点は集約型と分散型の2種類

物流拠点の運営戦略は、集約型と分散型の2種類に分けることができます。

集約型は大規模な物流拠点を1カ所配置してそこへ在庫を集約する戦略、分散型は顧客企業や納品先の近くへ複数の拠点を配置する戦略です。

 

それぞれにメリット・デメリットがありますが、近年ではコスト削減や配送効率向上が見込めるとして、特に首都圏エリアで大規模物流拠点の需要が高まっています。

 

今回は、近年増えてきている集約型の物流拠点について、特に掘り下げて考えてみましょう。

 

 

物流拠点を集約するメリット・デメリット

集約型の物流拠点のメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。

 

【メリット1】 コスト削減が図れる

拠点の数を減らすことで、設備や管理、人材にかかるコストを削減でき、全体的なコスト削減を図ることができます。

この考え方から、地価や人件費の高い首都圏では、特に集約型の需要が高まっているようです。

 

【メリット2】 配送効率が上がる

複数拠点を配置していると、複数拠点へ在庫を配送したり、複数拠点で商品をピックアップしたりと、拠点間での輸送が発生してしまいます。

1カ所の拠点ですべて保管、すべてそこから直接発送であれば無駄がなく、配送効率が向上します。

 

また、拠点間輸送のためにトラックを走らせる人件費や燃料費を削減できます。

 

【メリット3】 在庫管理がしやすい

複数拠点の在庫を同時に把握・管理するより、1カ所の拠点の在庫を把握・管理する方が手間が少なくスムーズ。

在庫状況をリアルタイムで正確に管理できれば、過剰発注による廃棄や在庫切れなどのリスクを減らすことができます。

 

【デメリット1】 配送にかかる時間が長くなる場合がある

拠点が1カ所だと、納品先の数や場所によっては納品先までの距離が長くなり、配送にかかる時間が長くなるケースがあります。

生鮮食品など配送のリードタイムが短いことを求められる商品を扱っている場合は、影響が大きいでしょう。

 

また、配送にかかる時間が増えると、その間の人件費や燃料費などコストは増えてしまいます。

 

【デメリット2】 リスク分散ができない

災害やトラブルなどによって拠点の機能が停止した場合、集約型の物流拠点では業務全体に重大な支障をきたしてしまいます。

分散型の複数拠点であれば、1カ所の拠点でトラブルが発生しても別の拠点は稼働できるので、損害を受けた拠点をカバーすることができます。

 

そのため、リスク管理やBCP対策の視点では、集約型の物流拠点はリスクがあるといえるでしょう。

 

 

物流拠点を集約する際に押さえるべきポイント

集約型の物流拠点を建てるなら、以下の3つのポイントを押さえて検討しましょう。

 

契約面積と有効率

施設や敷地の契約面積(広さ)をチェックするのはもちろんですが、敷地に対する有効率も必ずチェックを。

 

倉庫や工場の賃貸契約を結ぶ場合、施設面積として表示される数字には建物の庇(ひさし)などが含まれたりもしていますので、契約面積がそのまま業務に使用できる面積とは限りません。

物件図面の資料や賃貸契約書などをしっかり確認し、実際に使える広さを把握しましょう。

 

新たに土地を取得して倉庫や工場を建築する場合は、建ぺい率や容積率(※)も事前に確認しておく必要があります。

※建ぺい率:敷地面積に対する建築面積の割合、容積率:敷地面積に対する延べ床面積の割合

 

立地

物流拠点の立地は、効率的な配送のためにとても重要なポイント。

以下のような要素を考慮し、自社にとって最適な立地を選びましょう。

  • 仕入れ元、納品先への距離
  • 高速道路や駅、空港などとの位置関係
  • 地価、建設費用
  • 法規制 など

 

物流拠点の立地について、その考え方や適した条件などをこちらのコラムでも詳しくご紹介しています。

物流倉庫は立地が重要なポイント!適した立地の条件とは?

 

費用対効果

先ほどもご紹介したように、物流拠点を集約すると、納品先の数や場所によってはリードタイムが長くなり、その分コストが増える可能性があります。

もちろん、多少コストが増えたとしても、配送効率や在庫管理などのメリットの方が大きければ物流拠点を集約させるという選択もありでしょう。

 

物流拠点を集約させることによるコストと、その効果を比較して判断しましょう。

 

 

物流拠点の集約はメリット・デメリットを知って検討を

物流拠点の運営戦略は、一拠点へ在庫を集約させる集約型と、複数拠点を配置する分散型の2種類。

近年は、物流拠点を集約することで倉庫運営の効率化やコスト削減を図れるという考え方から、特に首都圏での大規模の集約型物流拠点の需要が高まっています。

 

集約型の物流拠点は、コスト削減、配送効率の向上、在庫管理が容易といったメリットがあります。

一方で、納品先との位置関係によってはリードタイムが長くなり、逆に配送にかかるコストが増える可能性や、災害などに対してリスク分散ができないというデメリットも。

 

物流拠点の集約を検討しているなら、そのメリットとデメリットをよく理解し、さらに面積と有効率、立地、費用対効果などを確認したうえで判断しましょう。

 

戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。

倉庫・工場の建築をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

久保 大輔設計部 部長

某設計事務所にて設計監理業務に従事し、現在は内池建設にて倉庫建築をはじめ様々な建築設計に取り組んでいる毎日です。建築を楽しみながら、安心で快適、使いやすく、みんなに愛される建築を提供していきたいと思います。

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