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2024.02.01

工場は特殊建築物にあたる?定義や法律を詳しくチェック!

こんにちは!北海道~東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。

 

建築基準法では建物を用途や種類、大きさなどによって区分し、区分ごとにさまざまな規制がかけられています。

「特殊建築物」もその区分の一つです。

 

今回のコラムは建物の区分の一つ、「特殊建築物」と工場の関係について。

 

特殊建築物とはどんな建物が該当するのか、工場は特殊建築物にあたるのかといった点を解説します。

工場

ここに目次が入ります

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特殊建築物とは?

特殊建築物とは、建築基準法で登場する建築・不動産用語です。

 

建築基準法による定義は以下の通りです。

 

特殊建築物 学校(専修学校及び各種学校を含む。以下同様とする。)、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物をいう。

※参照:建築基準法第二条二号より

 

ざっくりとした特徴を挙げると、不特定多数の人が利用・出入りする建物、周辺環境への影響がある建物です。

 

これらの建物は安全性を確保する必要があるため、特殊建築物として区分され、建築時には厳しい制限がかけられています。

 

特殊建築物と特定建築物の違い

特殊建築物と似た言葉で、「特定建築物」というものがあります。

 

特定建築物とは、特定用途(興行場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館、遊技場、店舗、事務所、研修所を含む学校、旅館)のうち、1~2つ以上に使用される建築物であり、なおかつ特定用途に使用される、延べ面積が3,000㎡以上で定期報告が必要な建物のこと。

 

定期報告とは、安全や防火、衛生面の確保が重要な建物に課せられているものです。

 

なお、2016年の法改正で定期報告義務の基準が底上げされ、ほとんどの特殊建築物が対象となりました。

 

また、各自治体の条例によっても、定期報告義務がある建築物の種類や区分が異なる場合があります。

 

 

工場は特殊建築物になる?

働く男性

建築基準法第二条二号の定義にある通り、工場は法律的には特殊建築物です。

 

ただし、建物の新築や増築時に必要な「建築確認申請」が必要な特殊建築物の中には、工場は含まれていません(自動車修理工場を除く)。

 

建築確認申請とは、建物を建てる際に、その建物が法律に則って設計されていることを確認する手続きです。

安全や防火などのためにも、一定規模以上の新築・増築では建築確認申請が必要です。

 

建築確認申請の概要や申請方法などは、こちらのコラムでも詳しくご紹介しています。

建築確認申請とは?申請の方法や費用、注意点などを詳しく紹介!

 

建築確認申請が必要な建物は、建築基準法第六条一~四号で規定されています。

 

特殊建築物については、別表第一(い)の用途に当てはまる建物のみがその対象ですので、一般的な工場(自動車修理工場を除く)は建築確認申請が必要な特殊建築物には含まれません。

 

【別表第一(い)の用途】

  • 劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場もの
  • 病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る。)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎
  • 学校、体育館
  • 百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場
  • 倉庫
  • 自動車車庫、自動車修理工場
  • その他これらに類するもので政令で定めるもの

 

また、別表第一(い)の用途の特殊建築物は、耐火建築物等としなければならない特殊建築物です。

ここにも一般的な工場(自動車修理工場を除く)は含まれません。

 

そのため、一般的な工場は法的には特殊建築物として定義されていますが、実質的にはほかの特殊建築物とは異なる扱いになっているケースが多くあります。

 

ただし、特殊建築物に該当するかどうか、建築確認申請や耐火建築物とする必要があるかどうかは、各自治体の条例によって定められている場合もあるため、あわせて確認が必要となるでしょう。

 

 

工場は法的には特殊建築物だが、扱いが違うものもある

特殊建築物とは、不特定多数の人が利用・出入りする、周辺環境への影響があるため、建築時に厳しい制限をかけられる建物です。

 

具体的な種類は建築基準法で定義され、法律の定義には工場も含まれます。

 

しかし、建築確認申請や防火建物とする必要がある特殊建築物の区分に含まれる工場は自動車整備修理工場のみで、そのほか一般的な工場は含まれません。

 

そのため、工場は実質的には特殊建築物とは異なる扱いになっているケースもあります。

 

ただし、特殊建築物の範囲や建築確認申請が必要な建物は、各自治体の条例によっても異なる場合があります。

工場建設の際は建築基準法とあわせて、自治体の条例も忘れずにチェックしてください。

 

戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。

 

倉庫・工場の建築をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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久保 大輔設計部 部長

某設計事務所にて設計監理業務に従事し、現在は内池建設にて倉庫建築をはじめ様々な建築設計に取り組んでいる毎日です。建築を楽しみながら、安心で快適、使いやすく、みんなに愛される建築を提供していきたいと思います。

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