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2024.10.05
倉庫や工場が取り組むべき浸水対策とは?水害への対処法
こんにちは!北海道~東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。
近年、気候変動の影響により、日本各地で水害による甚大な被害が発生しています。
倉庫や工場では、浸水被害が事業に大きな影響を及ぼす可能性も。
そこで今回のコラムでは、倉庫や工場が取り組むべき浸水対策を解説します。
浸水対策として事前に準備しておきたいこと、万が一浸水してしまった場合の対処法などをお伝えしますので、あらためて確認しておきましょう。
倉庫や工場で浸水対策をすべき理由
近年の気候変動により、日本では大雨や台風の被害が増えています。
気象庁のデータによると、全国の1時間降水量50mm以上の年間発生回数は、1976~1985年の平均約226回から、2011~2020年には平均約334回と約1.5倍に増加。
さらに、1時間に80mm以上の猛烈な雨の年間発生回数は約1.9倍に増加しています。
それに伴い、各地で水害による被害も増加傾向です。
水害には、河川氾濫や土砂災害などもありますが、身近な被害としては浸水を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
浸水とは、大雨やそれによってあふれた水に排水が追い付かず、建物が水に浸かってしまう被害のことです。
浸水が倉庫や工場に与える具体的な被害についても確認しましょう。
浸水が倉庫や工場に与える影響
倉庫や工場で浸水が起こると、以下のような被害が発生します。
- 設備機器の損傷
- 建物の汚損
- データ破損、消失
- 原材料、商品の損傷
- 従業員への危険
これらは、生産ラインや事業の一時中断や遅延、修理・交換コストの増大、販売機会損失などにつながり、大きな損失に。
企業の事業継続にも大きな影響を与えかねません。
そのため、倉庫や工場では事前の浸水対策が重要です。
倉庫や工場でするべき水害による浸水対策をご紹介
大雨や台風による水害に備え、倉庫や工場で取り組んでおくべき浸水対策をご紹介します。
土のう・止水パネルの準備
浸水対策の基本となるのが、土のうや止水パネルの準備です。
水害の危険があるときにこれらを建物の入り口や周囲に設置することで、大規模な水の侵入を防ぐことができます。
これらは、いざというときにすぐに運べる場所に保管しておくことが重要です。
定期的な点検と、使用方法の訓練も忘れずに行いましょう。
排水設備のメンテナンス
排水設備が汚れていたり詰まっていたりすると、水が適切に排出されずに浸水してしまう可能性があります。
排水溝や雨どいの清掃、排水ポンプや逆流防止弁の整備などを定期的に行いましょう。
建物の防水工事
雨漏りや水の侵入を防ぐための、屋根や外壁の防水塗装、防水性の高いシャッターの設置などを行いましょう。
これらの工事はコストがかかりますが、水害発生時の被害を軽減できる可能性があります。
長期的な視点で検討してみてください。
水害発生時のマニュアル作成
浸水などの水害が発生した際のマニュアルを作成し、共有と訓練をしておくことで、いざというときにも適切に動けるようになります。
以下のような点について確認・共有しておきましょう。
- 土のうや止水パネルの保管場所・使い方
- 避難経路、避難場所
- 従業員の出勤可否・帰宅の判断基準
- 操業停止の判断基準と手順
- 浸水想定区域とハザードマップ など
定期的な訓練を行いながらマニュアルは定期的に見直し、常に実態に即したものにしておくことも重要です。
データの定期的なバックアップとクラウド化
水害で顧客データや技術データなどが消失してしまっては大変です。
重要なデータは定期的にバックアップをとったり、クラウド保存をしたりして保護しましょう。
低い場所にある物品配置の見直し
床など低い場所に置いているものは、浸水時に被害にあいやすいです。
重要書類や電子機器は高い場所に置く、床置きの原材料や商品はパレットや棚に置くなどして、浸水の影響が少ないようにしておきましょう。
床に物を置かないのは、避難経路を確保する上でも大切なことです。
吸水性の高い清掃用具の準備
万が一建物内に水が浸入した場合、軽微な浸水なら吸水性の高い清掃用具で対処が可能なこともあります。
吸水性の高いモップや水も吸引可能な業務用掃除機、吸水マットなどを準備しておきましょう。
こちらのコラムでも、工場・倉庫の台風や雨漏りの対策について詳しくご紹介しています。
ぜひあわせてご覧ください。
倉庫や工場の雨漏りの原因は?放置するリスクと雨漏り対策を紹介
倉庫や工場で水害による浸水が起こったときの対処法も確認
水害による浸水被害が起こってしまった場合、まずは冷静に情報収集をしましょう。
正しく判断・対処するためには、最新の情報が必要です。
現在の気象情報や河川水位、浸水地域を確認し、従業員の安全を守りながら必要に応じて避難や業務の中断などの判断をします。
避難時には機器の電源遮断など、二次災害防止の措置も行います。
災害が落ち着き、安全が確認できたら、被害状況を確認して復旧作業に進みましょう。
- 浸水範囲、深さの確認、記録
- 建物や設備の被害状況を確認、記録
- 建物内の排水、泥や汚れの除去
- 電気系統の安全確認
- 設備機器の点検、必要に応じて修理、交換
- 建物の損傷がないか確認
- ゴミの処分
汚れによるにおいの除去や電気系統の安全確認は、専門業者に依頼することも検討してみてください。
早期の事業再開にはBCP対策が重要
BCP対策とは、災害や事故が起こっても事業が継続できるよう、緊急時の計画をあらかじめたてておくものです。
事前にBCP対策を施しておけば、万が一の際の備えができ、いざというときもスムーズに事業再開ができます。
BCP対策についてはこちらのコラムで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
倉庫や工場の浸水対策で被害を最小化!事前の準備が大切
気候変動による豪雨や台風の増加に伴い、倉庫や工場における浸水対策が急務となっています。
浸水が起こると、設備や建物、データ、商品などが損壊し、企業利益や事業継続に大きな影響を与える可能性があります。
倉庫や工場の浸水対策として、事前に土のうや止水パネルの準備、排水設備の点検・メンテナンス、建物の防水工事、水害発生時のマニュアル作成などを行なっておきましょう。
また、水害発生時には最新の情報を確認し、従業員の安全確保を優先しながらマニュアルに沿って判断を。
災害が去って安全が確認されたら、被害状況を確認しながら復旧作業に取り組みます。
事前にBCP対策を施しておくことで、万が一の際にも被害を最小限に抑えつつ、スムーズに事業再開につなげていくことができるでしょう。
戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。
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