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2023.01.30
倉庫や工場の増築は建築基準法を確認!定義や確認申請について知ろう
こんにちは!北海道~東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。
倉庫や工場を増築するときには、建築基準法をしっかりチェックしましょう。
建築基準法の基準を知らずに増築をすると、知らないうちに法律違反をしてしまうかもしれませんよ。
今回のコラムでは、倉庫・工場の増築に際して知っておくべき建築基準法のルールについて解説します。
事前に把握しておくことで、可能な増築工事の範囲や内容がわかり、増築の計画もスムーズに立てられるでしょう。
倉庫や工場の増築を検討している方はぜひご覧ください。
倉庫や工場の増築とは?建築基準法の定義
増築とは、敷地内の建築物の面積を増やす工事のことです。
建築基準法では新築・増築・改築のことを総称して「建築」としており、増築の明確な定義はありません。
しかし、一般的に同じ建築物の延面積を増やすこと(同一棟増築)、敷地内の建築物を増やすこと(別棟増築)の2つを指して、増築とされています。
今ある倉庫の面積を増やす、1階建ての工場を2階建てにするなどは、増築のわかりやすい例ですね。
そのほか、敷地内に別棟の倉庫を建てる、荷物保管用の物置を購入して配置する、敷地内に塀や門、カーポートを作ることも増築に該当します。
建築基準法では、土地に定着する工作物のうち、屋根や柱、または壁を有するものを「建築物」と定義しています。
そのため、家、倉庫、工場、ビルといった一般的な建物のほか、置き型の物置、塀、門、カーポートなども建築物に該当します。
ちなみに、「改装」は延べ床面積を変えずに構造部分に工事を施すもので、間取りの変更などが該当します。
増築との違いは、延べ床面積が増えるかどうかという点になります。
倉庫や工場の増築時に注意が必要な建築基準法の制限
倉庫や工場の増築時に特に注意すべき建築基準法の制限をご紹介します。
建ぺい率
敷地に対する建築面積の割合です。
建ぺい率が広いほど、広い面積の建物を建てられます。
たとえば100㎡の敷地で建ぺい率が70%なら、建物の建築面積の限度は70㎡となります。
容積率
敷地に対する延べ面積(すべての階の床面積の合計)の割合です。
たとえば100㎡の敷地で容積率が70%なら、2階建ての場合には1階と2階の床面積の合計が70㎡に収まるようにしなくてはいけません。
高さ制限
地域の景観を守ったり、建物の影によって周りの土地に影響が出ないようにしたりするための制限です。
建築物の高さの上限が地域ごとに定められています。
既存不適格建築物
古い建物で建築当時は法律に則っていても、現行の法律には適合していない可能性があります。
たとえば1981年以前に建てられた建築物は、現行の耐震基準を満たしていない可能性があるなどです。
既存部分はそのまま使う分には問題ありませんが、増築部分は現行の耐震性を満たして建築する必要があります。
ただし、一つの建物で耐震バランスに差があると地震による倒壊リスクがあるため、増築の際には既存部分の耐震補強も検討することをおすすめします。
「倉庫・工場を増築するメリットや注意点とは?法律や届け出も確認」のコラムでも、倉庫や工場を増築するメリットやその際に注意すべき制限などをご紹介していますので、あわせて確認してみてください。
倉庫や工場を増築する際、建築確認申請は必要?
一定規模以上の増築では、建築確認申請が必要です。
自治体や民間の検査機関へ建築確認申請書を提出し、建築する建物が法律や条例に適しているという承認を得なくてはいけません。
建築確認申請が必要な建築については、建築基準法6条にて定められています。
- 延べ床面積が200㎡以上
- 木造建築物で3階建て以上か、延べ床面積が500㎡以上で高さが13m以上、または軒の高さが9m超
- 木造以外の建築物で2階建て以上か、延べ床面積が200㎡以上
- ①~③の建築物以外で、都市計画区域、準都市計画区域、準景観地区、知事指定区域の建築物
倉庫や工場は建築基準法で「特殊建築物」に定められているため、延べ床面積が200㎡以上の倉庫や工場の増築、または増築によって延べ床面積が200㎡以上となる場合は建築確認申請が必要です。
ただし、防火地域または準防火地域外にある倉庫・工場で、増築面積が10㎡以下の場合は建築確認申請は不要です。
基本的に10㎡を超える増築では建築確認申請が必須ということになります。
例を挙げると、以下のようなケースでは建築確認申請が必要となります。
- 面積190㎡の工場に15㎡のトイレを増築する
- 防火地域にある倉庫で、20㎡の物置を購入して設置する
- 準防火地域にある工場で、従業員の休憩所を別棟で新設する
建築確認については「建築確認申請とは?申請の方法や費用、注意点などを詳しく紹介!」
のコラムでも詳しくご紹介しています!
建築確認申請の費用
建築確認申請の費用は自治体によって異なりますが、それぞれ床面積の広さによって定められています。
たとえば、北海道で倉庫・工場の増築を行う場合、建築確認申請の費用は以下のようになります。
0㎡~
30㎡以内 |
500㎡超~
1,000㎡以内 |
1,000㎡超~
2,000㎡以内 |
|
確認申請手数料 | 14,000円 | 73,000円 | 100,000円 |
中間検査手数料 | 14,000円 | 40,000円 | 54,000円 |
建築物完了検査手数料 | 15,000円 | 45,000円 | 62,000円 |
※北海道建設部「確認申請・計画通知、検査申請・完了通知、中間検査手数料」より
増築の設計後に自治体や指定の検査機関へ建築確認申請の申し込みを行い、工事着工・建物完成後に完了検査を受けます。
中間検査が必要となるかどうかは、ケースによって異なります。
倉庫や工場の増築では建築基準法に注意を
倉庫や工場の増築をする際は、建築基準法の基準を把握し、法律違反をしてしまわないように注意しましょう。
建物の面積を増やすのはもちろん、同じ敷地内に別棟を建てるのも増築となりますし、門や塀、カーポートなどを増やすのも増築です。
増築時に特に気にすべき部分は、建ぺい率や容積率、高さ制限を超えないかという点。
すでに敷地の建ぺい率・容積率いっぱいまで建築物を建てている場合は、増築はできません。
また、古い建物で耐震性などが現行の基準を満たしていない場合、古い部分は良いですが新しく増築する部分は現行の基準を満たして建てる必要があります。
なお、床面積が10㎡以上増える増築の場合は自治体や指定検査機関へ建築確認申請の提出が必要です。
建築確認申請で建築する建物が、法律や条例に適しているという承認を得ないと工事を進めることができないので注意しましょう。
戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。
倉庫・工場の建築をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。